労働保険料はいくら?(年度更新の概算・確定保険料)
労働保険料の決まり方(年度更新)
労働保険料は、4月から翌年3月までの1年間(保険年度)に払う賃金の総額に、業種ごとの労災保険率と雇用保険料率を足した率をかけた額です。年度のはじめに見込みで概算保険料を納め、翌年度のはじめに実際の賃金で確定保険料を出して精算します。この二つを同じ申告書で出すのが年度更新です。
確定保険料は前年度(令和7年度)の料率、概算保険料は今年度(令和8年度)の料率で計算します。賃金総額は1,000円未満を切り捨て、保険料は1円未満を切り捨てます。労災と雇用の賃金総額が同じなら、二つの率を合わせた率で1回だけ切り捨てます(申告書の書き方の記入例と同じ)。今年度の見込みが前年度の50%以上200%以下なら、概算保険料は前年度の賃金総額で計算します。
前年に申告した概算保険料より確定保険料が多ければ、その不足額を第1期に足して納めます。少なければ超過額を、今年度の第1期の概算保険料 → 一般拠出金 → 第2期 → 第3期の順に充て(申告書の充当意思「3」)、それでも余れば還付請求書を出して返してもらいます。一般拠出金(石綿健康被害救済法)は、前年度の労災の賃金総額の1,000分の0.02で、業種を問わず同じです。
概算保険料が40万円以上(労災保険か雇用保険のどちらか一方の保険関係だけが成立している事業なら20万円以上。徴収則27条1項)なら、3回に分けて納められます(延納)。「雇用保険の対象者がいない」を選ぶと20万円で判定しますが、雇用保険の保険関係が成立しているかは労働局で確認してください。3で割った余りは第1期に足します。確定保険料の不足額と一般拠出金は延納できません。令和8年度の年度更新の納期限は、第1期(全期)2026年7月10日(金)、第2期2026年11月2日(月)、第3期2027年2月1日(月)です(口座振替は9月7日(月)・11月16日(月)・2月15日(月))。
雇用保険料率(1,000分の)
| 年度・事業 | 労働者 | 事業主 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 令和7年度 一般の事業 | 5.5 | 9 | 14.5 |
| 令和7年度 農林水産・清酒製造の事業 | 6.5 | 10 | 16.5 |
| 令和7年度 建設の事業 | 6.5 | 11 | 17.5 |
| 令和8年度 一般の事業 | 5 | 8.5 | 13.5 |
| 令和8年度 農林水産・清酒製造の事業 | 6 | 9.5 | 15.5 |
| 令和8年度 建設の事業 | 6 | 10.5 | 16.5 |
清酒製造業は、労災保険の業種では「41 食料品製造業」に入りますが、雇用保険は「農林水産・清酒製造の事業」の率です(業種を41にしても雇用は自動で変わらないので、選び直してください)。
労働者負担は、給与から引く雇用保険料の率です。労災保険料は全額を事業主が負担します。労災保険率は業種ごとに2.5/1,000(通信業・金融業など)から88/1,000(金属鉱業など)まであり、令和7年度と令和8年度は同じ率です。
この道具で扱わないもの
- メリット制で上げ下げされた労災保険率(申告書に印字された率で計算してください)
- 請負の建設事業の労務費率・一括有期事業、特別加入(一人親方・中小事業主など)の保険料
- 年度の途中で保険関係が成立・廃止した事業、労働保険事務組合に委託している場合の納期限
保険料の見方:労災・雇用の分け方と年度更新
前年度の賃金総額が3,000万円で、一般の事業(業種94「その他の各種事業」)の事業所なら、令和7年度の確定保険料は525,000円、令和8年度の概算保険料は495,000円です。前年に申告した概算保険料が確定保険料と同じ額で過不足がなければ、概算保険料に一般拠出金600円を足した495,600円が、年度更新で納める額です。
この表の見方: 左が保険料の種類、次が負担する人、その次が令和8年度の率、右が前年度の賃金総額3,000万円のときの額です。一般拠出金は、前年度の労災の賃金総額にかけます。
| 保険料の種類 | 負担する人 | 率 | 額 |
|---|---|---|---|
| 労災保険料 | 事業主が全額 | 3/1,000 | 90,000円 |
| 雇用保険料 | 事業主(8.5/1,000)と働く人(5/1,000)で分ける | 13.5/1,000 | 405,000円 |
| 一般拠出金 | 事業主が全額 | 0.02/1,000 | 600円 |
年度更新は、前年度の確定保険料の精算と、今年度の概算保険料の納付を、同じ申告書で一緒に出す手続きです。納める額の見方は、次のとおりです。
- 今年度の賃金の見込み: 前年度の50%以上200%以下なら、概算保険料は前年度の賃金総額で計算します。
- 分けて納める(延納): 概算保険料が40万円以上(労災保険か雇用保険のどちらか一方だけなら20万円以上)なら、3回に分けられます。労働保険事務組合に事務を委託していれば、額に関係なく3回に分けられます。この例は495,000円なので、3回に分けられます。概算保険料は1回あたり165,000円で、第1期にだけ一般拠出金が加わります。
- 分けられないもの: 確定保険料の不足額と一般拠出金は、第1期にまとめて納めます。
申告と納付の窓口は、都道府県労働局です。メリット制で率が変わる事業所や、申告書に印字された率が違うときは、労働局の案内に従ってください。根拠は、労働保険の保険料の徴収等に関する法律(e-Gov 法令検索)と、厚生労働省の申告書の書き方です。
労働保険料のよくある質問
年度更新で納める額はどう決まる?
前年度の確定保険料(実際に払った賃金総額×前年度の料率)と、今年度の概算保険料(見込みの賃金総額×今年度の料率)を同じ申告書で出します。前年に申告した概算保険料より確定保険料が多ければ不足額を足し、少なければ超過額を今年度の概算保険料などに充てます(充当)。これに石綿の一般拠出金(賃金総額の1,000分の0.02)を足した額が、今回の納付額です。
令和8年度の雇用保険料率は?
一般の事業は13.5/1,000(労働者負担5/1,000・事業主負担8.5/1,000)、農林水産・清酒製造の事業は15.5/1,000、建設の事業は16.5/1,000です。令和7年度(一般の事業14.5/1,000)から下がりました。年度更新の確定保険料は前年度の率、概算保険料は今年度の率で計算します。
見込みの賃金が前年度と違うときは?
見込みが前年度の賃金総額の50%以上200%以下なら、概算保険料は前年度の賃金総額で計算します(徴収則24条)。その範囲を外れるときだけ見込みの額を使います。
延納(分割納付)はいくらからできる?
概算保険料が40万円以上(労災保険か雇用保険のどちらか一方の保険関係だけが成立している事業なら20万円以上。徴収則27条)、または労働保険事務組合に事務を委託していれば、3回に分けて納められます。3で割った余りは第1期に足します。確定保険料の不足額と一般拠出金は延納できず、第1期にまとめて納めます。
年度更新の期限はいつ?
令和8年度の年度更新の申告・納付は2026年7月10日(金)までで、延納した第2期は2026年11月2日(月)、第3期は2027年2月1日(月)までです(休日は翌開庁日)。口座振替なら9月7日(月)・11月16日(月)・2月15日(月)に引き落とされます。令和9年度の年度更新の申告は2027年7月12日(月)までです。
労働保険料のうち、働く人の給料から引かれるのはどの部分?
雇用保険料のうち、労働者負担の分だけです。労災保険料と一般拠出金は、事業主が全額を負担し、給料からは引かれません。令和8年度の一般の事業は、雇用保険料率13.5/1,000のうち、労働者負担が5/1,000、事業主負担が8.5/1,000です。たとえば月の賃金が300,000円なら、給料から引かれる雇用保険料は1,500円が目安です。実際に引く額は、事業所の給与計算で決まります。
2026年11月1日現在の情報です(データ最終更新: 2026年10月18日)。出典: e-Gov 法令検索 労働保険の保険料の徴収等に関する法律(11条・12条・15条・18条・19条) / e-Gov 法令検索 労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則(11条・24条・27条) / 厚生労働省「令和8(2026)年度 雇用保険料率のご案内」(令和7年度の率も併記) / 厚生労働省「令和8年度の労災保険率等について ~令和7年度と同率です~」 / 厚生労働省「石綿健康被害救済法に基づく一般拠出金の徴収制度について」(1000分の0.02) / 厚生労働省「令和8年度 事業主の皆様へ(継続事業用)労働保険年度更新申告書の書き方」(記入例・充当) / 厚生労働省「労働保険年度更新に係るお知らせ」(令和8年度の納期限・口座振替日)