医療費控除はいくら戻る?(所得税の還付と住民税の目安)

社会保険料・ほかの控除・市販薬も入れる(入れなくても数えます)

医療費 30万円・給与収入 500万円で戻る額

約30,125円

医療費控除
200,000円
所得税の還付
10,125円
住民税の減る額
20,000円
差し引く額
100,000円

社会保険料は、給与収入から推定しています(東京都の協会けんぽ・40歳未満・賞与なし)。生計を一にする家族の医療費は合算できます。保険金などの補填は、その補填の対象の医療費の額までを引きます(補填が多い医療費が別にあっても、ほかの医療費からは引きません)。所得税の還付は、源泉徴収などで納めた所得税が限度です。住民税は単身として、令和9年度分の所得割(10%)で数えています。目安で、最終的な額は確定申告で決まります。

令和8年分 医療費ごとの戻る額(早見表)

給与収入 500万円・社会保険料・ほかの控除は入れた値のまま、医療費だけを変えて数えています。「(あなた)」の行は、入れた医療費から補填を引いた額です。

令和8年分 医療費ごとの戻る額(早見表)
補填を引いた医療費控除額(円)戻る額の合計(円)
10万円00
15万円50,0007,467
20万円100,00015,020
30万円(あなた)200,00030,125
50万円400,00060,335
100万円900,000135,860

戻るしくみと結果の読み方

計算の仕方

医療費控除 =(払った医療費 − 保険金などの補填)− 差し引く額(10万円と所得の合計の5%の少ない方)、上限 200万円

  • 1月から12月に払った医療費を、生計を一にする家族の分も合わせて足します。
  • 生命保険の入院給付金・健康保険の高額療養費などで補填される額を引きます。
  • 10万円か所得の合計の5%の少ない方を引いた残りが医療費控除です(上限 200万円)。
  • 所得税は控除を引く前と後の税額の差が戻り、住民税は翌年度(令和9年度分)の所得割が控除額の約10%下がります。

結果の読み方と使いどころ

医療費 300,000円控除になる額 200,000円上限(200万円)を超えた分 0円差し引く額 100,000円保険金などの補填 0円
医療費 300,000円 のうち、控除になるのは 200,000円 です(補填 0円・差し引く額 100,000円 を除いた残り)。

上の図は、払った医療費のうち、控除になる額と、補填・差し引く額で消える額の大きさを並べたものです。控除額そのものが戻るわけではなく、戻るのは控除で下がる税額です。

差し引く額は 10万円と所得の合計の5%の少ない方です。給与だけの人なら、令和8年分は給与収入がおよそ297万円未満だと5%の方が少なくなり、医療費が10万円以下でも控除を受けられることがあります。

所得税で戻る額は、控除額 × 税率(5〜45%)に復興特別所得税を足した分です。税率の段をまたぐときも、控除の前と後で 2 回数えるので、そのまま正しい額になります。所得税率の高い家族がまとめて申告すると、戻る額が大きくなることがあります。

対象になる医療費・ならない医療費

対象になる医療費(例)

  • 医師・歯科医師の診療や治療の費用、治療のための医薬品(かぜ薬などの市販薬を含む)
  • 治療のためのあん摩マッサージ指圧・はり・きゅう・柔道整復の施術
  • 通院の電車・バス代、入院中の部屋代・食事代、急を要するときのタクシー代
  • 義歯・補聴器・松葉づえなど治療に必要な器具、医師の証明があるおむつ代(6か月以上寝たきりの人)
  • 介護保険の一定の施設・居宅サービスの自己負担、助産師の分べん介助

対象にならない医療費(例)

  • 健康診断・人間ドックの費用(重い病気が見つかり、そのまま治療を受けた場合は対象)
  • 予防や健康増進のためのビタミン剤・サプリメント、予防接種
  • 容姿を整えるための美容整形、治療に直接必要でない近視・遠視の眼鏡
  • 自家用車で通院するときのガソリン代・駐車料金、電車やバスで行けるのに使ったタクシー代
  • 医師などへの謝礼、疲れを癒やすための施術

国税庁 No.1122「医療費控除の対象となる医療費」の例から。判断に迷うものは税務署に確かめてください。

セルフメディケーション税制と比べる

対象の市販薬(スイッチOTC医薬品など)の購入額を入れると、セルフメディケーション税制(購入額 − 12,000円、上限 88,000円)で戻る額と比べます。両方は使えず、どちらか一方を選びます(国税庁 No.1131)。

セルフメディケーション税制と比べる
項目医療費控除セルフメディケーション税制
控除額200,000円—
所得税の還付10,125円—
住民税の減る額20,000円—
戻る額の合計30,125円—

戻る額の内訳

所得税は速算表(国税庁 No.2260)の税率に復興特別所得税 2.1% を足して、控除を引く前と後で 2 回数えた差です。年末調整の税額は 100 円未満を切り捨て、申告の税額は 1 円単位です。住民税は所得割を控除の前と後で 2 回数えた差です。

戻る額の内訳
項目金額
所得の合計(総所得金額等)3,560,000円
社会保険料(推定)723,132円
ほかの所得控除0円
補填を引いた医療費300,000円
差し引く額(10万円と所得の合計の5%の少ない方)−100,000円
医療費控除200,000円
控除を引く前の課税所得1,796,000円
控除を引いた後の課税所得1,596,000円
所得税(年末調整の税額→申告の税額)91,600円→81,475円
所得税の還付10,125円
住民税の減る額(令和9年度分)20,000円
戻る・減る額の合計(目安)30,125円

よくある間違い

10万円を超えないと受けられないと思う

差し引く額は 10万円と所得の合計の5%の少ない方です。所得の合計が少ない人は、医療費が10万円以下でも控除を受けられます。

補填を引き忘れる

生命保険の入院給付金や健康保険の高額療養費・出産育児一時金などで補填される額は、医療費から引きます(国税庁 No.1120)。引き忘れると、戻る額を多く見積もります。

セルフメディケーション税制と両方使う

セルフメディケーション税制と医療費控除は、どちらか一方しか使えません(国税庁 No.1131)。この計算の比べの表で、戻る額が多い方を選べます。

控除額がそのまま戻ると思う

戻るのは控除で下がる税額です。所得税の税率が5%の人なら、控除 10万円で戻るのは所得税と住民税を合わせて約1.5万円です。

年末調整で引けると思う

医療費控除は年末調整では引けません。会社員も確定申告(還付申告)が要り、申告書は住所地の税務署へ出します(e-Tax でも出せます)。還付申告は、医療費を払った年の翌年1月1日から5年間出せます(国税庁 No.2030)。

よくある質問

医療費が10万円を超えないと医療費控除は受けられない?

いいえ。差し引く額は10万円と「総所得金額等の5%」の少ない方です。給与だけの人なら、令和8年分は給与収入がおよそ297万円未満だと5%の方が少なくなり、医療費が10万円以下でも控除を受けられることがあります。

医療費控除でいくら戻る?

控除額そのものが戻るわけではありません。所得税は控除で下がる税額(税率5〜45%に復興特別所得税2.1%を加えた分)が還付され、住民税は翌年度の分が控除額の約10%下がります(所得割がかからない人は減りません)。還付されるのは、源泉徴収などで納めた所得税の範囲までです。

家族の医療費もまとめられる?

自分と生計を一にする配偶者や親族のために払った医療費は合算できます。所得税率の高い人がまとめて申告すると、戻る額が大きくなることがあります。

セルフメディケーション税制と両方使える?

使えません。どちらか一方を選びます。セルフメディケーション税制は対象医薬品の購入額から12,000円を引いた額(上限88,000円)が控除になり、その年に健康診断や予防接種などを受けている人が使えます。

医療費控除の申告はいつまでできる?

会社員などの還付申告は、医療費を払った年の翌年1月1日から5年間出せます。令和8年分(2026年に払った分)なら2027年1月1日から出せます。医療費の領収書は確定申告の期限などから5年間保管します。

入れた金額はどこかに送られますか?

計算はこの端末のブラウザの中だけで行います。入れた医療費や収入の金額は、サーバーに送りません。

2026年10月23日現在の情報です(データ最終更新: 2026年10月2日)。