原状回復の費用の負担割合(借主の負担はいくら?)
項目ごとに、何年で借主の負担が 1 円まで下がる?
上の初期値(クロス(壁紙)・入居2年・費用50,000円)では、借主の負担割合は66.7%です。入居から6年たつと残存価値が下限の1円になり、負担額は費用があるかぎり最低の1円になります。表示は0.0%になりますが、残存価値は1円が下限です。
この表の見方: 左が項目、次が耐用年数、その次が入居2年のときの借主の負担割合、右が残存価値が1円(下限)になる入居年数です。襖紙・障子紙・畳表は経過年数を考えないので、年数がたっても100%のままです。
| 項目 | 耐用年数 | 入居2年の負担割合 | 残存価値が1円(下限)になる年 |
|---|---|---|---|
| クロス(壁紙) | 6年 | 66.7% | 入居6年 |
| カーペット | 6年 | 66.7% | 入居6年 |
| クッションフロア | 6年 | 66.7% | 入居6年 |
| 流し台 | 5年 | 60.0% | 入居5年 |
| 冷暖房機器(エアコン等) | 6年 | 66.7% | 入居6年 |
| 電気冷蔵庫 | 6年 | 66.7% | 入居6年 |
| ガス機器(ガスレンジ等) | 6年 | 66.7% | 入居6年 |
| インターホン | 6年 | 66.7% | 入居6年 |
| 主として金属製以外の家具 | 8年 | 75.0% | 入居8年 |
| 便器・洗面台等の給排水・衛生設備 | 15年 | 86.7% | 入居15年 |
| 主として金属製の器具・備品 | 15年 | 86.7% | 入居15年 |
| 畳表 | 年数を考えない | 100.0% | 下がらない |
| 襖紙 | 年数を考えない | 100.0% | 下がらない |
| 障子紙 | 年数を考えない | 100.0% | 下がらない |
この表と上の計算を使うときは、次の点に気をつけます。
- 始まりは100%の前提: 国土交通省のガイドラインは、経過年数のかわりに入居年数を使います。入居直前に設備を交換していれば100%から始まりますが、そうでなければ、建築後の年数や傷み具合を見て、1円を下限にグラフを決めるとされています。上の表と計算は100%から始まる場合です。
- 残存価値が1円になっても修繕の負担がゼロとは限らない: 耐用年数を過ぎた設備でも、借主は注意して使う義務があるため、修繕などの工事に伴う負担が必要になることがあります。
- フローリングの部分補修: ガイドラインは、フローリングの部分補修には経過年数を考えない一方、フローリング全体を張り替えたときは経過年数を考えるのが適当としています。上の項目にフローリングはありません。
負担割合の目安について
このページは、借主の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超える使用による損耗等の補修費用を対象にした目安です。計算は耐用年数の始点を入居時(新品・張替え直後)としており、通常損耗と経年変化は借主の原状回復義務から除かれます。契約の特約や損耗の状況、入居時点の設備の状態によって負担は変わります。
クロス、カーペット、クッションフロアは6年で残存価値1円となる考え方です。設備の耐用年数は、ガイドライン本文に明記された品目だけを選択肢にしています。品目ごとの耐用年数・消耗品の扱いはガイドライン別表2(PDF p.26〜28)を参照してください。
原状回復の範囲: 民法第621条。敷金の返還は「賃貸借が終了し、かつ、賃貸物の返還を受けたとき」(民法第622条の2)です。
この計算は費用負担を確定するものではありません。ガイドライン掲載の裁判例(事例17・事例26)の数値も個別事例の目安です。
よくある質問
原状回復費用は借主が全額負担しますか?
この計算は、故意・過失や通常の使用を超える損耗等の補修費用について、ガイドラインの考え方で負担割合を見積もる目安です。通常損耗・経年変化は貸主負担とされ、契約の特約や個別の事情で変わることがあります。
直線の負担割合はガイドラインに書かれた式ですか?
式ではなく、ガイドラインのグラフ(直線)から読む目安です。直線で耐用年数に達すると負担割合はほぼ0%となり、負担額は最低1円です。
畳表・襖紙・障子紙は何年で減額されますか?
ガイドラインでは消耗品として経過年数を考慮しません。このページでは負担割合を100%として表示します。
原状回復義務はどの法律にありますか?
民法第621条は、通常の使用による損耗と経年変化を除いた損傷について、賃借人の原状回復義務を定めています。契約の特約や個別の事情も確認してください。
フローリングの傷を部分補修するときも、入居年数で負担が減る?
ガイドラインでは、部分補修は経過年数を考えず、傷をつけた借主の負担とするのが妥当とされています。フローリング全体を張り替えたときは、経過年数を考えるのが適当です。このページの項目にはフローリングが入っていないので、計算には使えません。
入居前に設備を交換していなかったら、負担割合は何%から始まる?
入居直前に交換した設備なら100%から始まります。交換していない場合は100%とは限らず、建築後の年数や個々の傷みを見て、1円を下限に貸主と借主で話し合って決めるのが適当とされています。このページは100%から始まる前提の目安なので、築年数が進んだ設備では実際の負担割合が低くなることがあります。