青色申告特別控除で税金はいくら減る?
令和8年分 控除前の所得ごとの減る税額(早見表)
基礎控除以外の所得控除を 0円 として、所得税+復興特別所得税と住民税10%で数えています。「(あなた)」の行は入れた所得です。年分と所得控除を変えると、この表も数え直します。
| 控除前の所得 | 65万円の控除(円) | 10万円の控除(円) |
|---|---|---|
| 100万円 | 54,500 | 10,000 |
| 200万円 | 98,200 | 15,100 |
| 300万円 | 98,700 | 15,600 |
| 400万円(あなた) | 131,300 | 20,200 |
| 500万円 | 273,300 | 30,500 |
| 700万円 | 208,000 | 30,500 |
| 1000万円 | 256,400 | 43,700 |
減るしくみと結果の読み方
計算の仕方
減る税額 = 控除なしの税額 − 控除ありの税額(所得税+復興特別所得税と、住民税の所得割 10%)
- 控除額は、控除の上限と、控除前の所得(事業所得+不動産所得)の小さいほうです。所得が上限より少ない年は、所得の額までしか引けません。
- 所得税は、控除後の所得から基礎控除などを引いた課税所得に、速算表の税率をかけて出し、復興特別所得税を足します。
- 住民税の所得割 10% も、控除後の所得をもとにするので、同じように減ります。
- 控除なしの税額と控除ありの税額の差が、減る税額です。基礎控除は合計所得金額で段が変わるので、控除を引くと段が上がって、さらに減ることがあります。
結果の読み方と使いどころ
青色申告特別控除は、青色申告の承認を受けた人が、不動産所得・事業所得の金額から最高 65万円(令和9年分以後は 75万円)を差し引ける制度です。上の図は、控除なしと控除ありの税額を並べたもので、棒の差が減る税額です。
基礎控除(国税庁 No.1199)は、合計所得金額で段が変わります。控除を引いた後の所得が 489 万円以下になると、基礎控除が 67 万円から 104 万円に上がるので、控除の効果が上乗せされて見えることがあります。表の「控除なし→あり」の課税所得で、段が変わったかを確かめられます。
個人事業税の計算では、青色申告特別控除を引けません。所得に足し戻して計算します。国民健康保険料は下がることがありますが、自治体ごとの計算なのでここでは出しません。
令和8年分の控除の区分ごとに減る税額
区分の要件は、65万円(e-Tax か優良な電子帳簿)、55万円(複式簿記・期限内)、10万円(上記以外)です。所得が区分の上限より少ないと、控除額は所得の額までになります。
| 控除の区分 | 減る税額 | 10万円との差 |
|---|---|---|
| 65万円 | 131,300円 | 111,100円 |
| 55万円 | 111,100円 | 90,900円 |
| 10万円 | 20,200円 | 0円 |
控除なし→ありの内訳
控除前の所得は、青色申告決算書・収支内訳書の事業所得と不動産所得(規模を問わず)の合計です。基礎控除は、控除を引いた後の合計所得金額で決まるので自動で入れています。「ほかの所得控除」は、基礎控除以外(社会保険料・iDeCo・生命保険料・扶養など)の合計で、所得税と住民税で同じ額として数えます。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 青色申告特別控除前の所得(事業+不動産) | 4,000,000円 |
| 青色申告特別控除(上限65万円・所得まで) | −650,000円 |
| 控除後の所得(合計所得金額) | 3,350,000円 |
| 所得税の課税所得(控除なし→あり) | 2,960,000円→2,310,000円 |
| 所得税+復興特別所得税(202,600円→136,300円) | −66,300円 |
| 住民税の所得割10%(354,500円→289,500円) | −65,000円 |
| 減る税額の合計(目安) | 131,300円 |
よくある間違い
承認申請を出していない
青色申告の承認申請書は、原則としてその年の 3 月 15 日まで(新たに開業したときは業務を始めてから 2 か月以内)に税務署へ出します(国税庁 No.2070)。承認を受けていない年は、白色申告になり、青色申告特別控除は使えません。
期限後に申告して、控除が 10万円 に下がる
65万円・55万円 の控除は、貸借対照表・損益計算書を添えた確定申告書を期限内に出すことが要件です。期限後になると 10万円 の控除になります(国税庁 No.2072)。
令和9年分は 55万円 がなくなる
令和 8 年度税制改正で、令和9年分以後は 55万円 の控除がなくなり、複式簿記でも e-Tax で出さないと 10万円 の扱いです。最高は 75万円 になります。
現金主義の特例・簡易簿記で使えない区分を選ぶ
現金主義の特例を選んでいる人は、65万円・55万円 の控除を受けられません(国税庁 No.2072)。令和9年分以後は、簡易簿記で記録し、前々年分の事業所得または事業的規模の不動産所得の収入が 1,000 万円を超える人は、10万円 の控除も受けられません(国税庁のリーフレット)。使えない区分を選ぶと、この計算は実際より大きく減る額を出します。
赤字の年は特別控除を引けない
控除の対象は所得の金額までです。赤字の年は特別控除を引けませんが、青色申告なら赤字を 3 年間繰り越せます(国税庁 No.2070)。この計算は所得が 0 円以上の人の目安です。
よくある質問
令和9年分から 75万円 になるのは本当?
令和 8 年 3 月 31 日に所得税法等の一部を改正する法律が成立し、令和9年分以後の所得税から、複式簿記・e-Tax 提出に加えて、仕訳帳・総勘定元帳を一定の要件を満たす電磁的記録で保存している人(優良な電子帳簿)は 75万円 になります(財務省・国税庁の資料)。令和8年分(2027 年春の確定申告)は 65万円 が最高です。この計算は年分を選んで両方を数えられます。
不動産所得だけでも使える?
事業所得がある人は、不動産所得も(規模を問わず)事業所得と合計した金額が控除の限度です(国税庁 No.2072)。不動産所得だけの人は、貸付けが事業的規模なら最高 65万円(令和9年分以後は 75万円)まで使えます。事業的規模でない不動産所得は最高 10万円 です。
入れた金額はどこかに送られますか?
計算はこの端末のブラウザの中だけで行います。入れた所得や所得控除の金額は、サーバーに送りません。
国民健康保険料も下がる?
青色申告特別控除を引いた後の所得が、住民税や国民健康保険料の計算のもとになる自治体が多いので、保険料も下がることがあります(賦課限度額に達している人は変わりません)。保険料は自治体ごとに計算が違うため、この計算では額を出しません。
訂正 2026年10月7日: 住民税の所得割から調整控除(2,500円)を引いていなかったため、内訳の住民税の額を約2,500円多く表示していました。訂正しました。減る税額の合計も、100円ほど違うことがありました。