ネジ不要の小児矯正『オルソエース』、7月から会員医院へ提供
ベストカレンダー編集部
2026年7月29日 20:51
会員向け提供開始
開催日:7月1日
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コイルばねで変わる小児矯正の現場
一般社団法人日本小児矯正研究会(所在地:東京都新宿区、代表:杉岡真一)は、従来の「拡大床」に用いられてきた拡大ネジの原理を見直し、装置本体に内蔵したコイルばねの力で自動的に拡大を進める新型小児矯正装置「オルソエース(OrthoACE)」を発表しました。プレスリリースは2026年7月29日10:00に公開されています。
この方式は、従来100年近く続いてきた「患者または保護者が定期的にネジを回す」運用からの転換を示すものであり、装着しているだけで拡大が進むことを特徴としています。学会側はまず会員歯科医院向けに提供を開始し、臨床データと運用ノウハウを蓄積したうえで一般提供を予定しています。
オルソエースの技術的特徴と名称の由来
オルソエースは装置に内蔵したコイルばねを用いることで、装着中に自動的に拡大が進行する方式です。装置は「Auto Coil Expansion」の頭文字を取って命名され、医療機器としての認証番号は308AGBZX00006000です。
基本的な治療フローや臨床判断は従来の拡大床治療と変わらず、装置の動力源がネジからバネに変わった点が本質的な違いです。従来の臨床フローから移行しやすい設計が意図されています。
主な性能と臨床上の取り扱い指針
大会で示された主要な特徴は複数あり、装置の運用上および臨床結果への影響が明記されています。特に家庭側の扱いに関する負担軽減と医院側の再調整負荷の低減が強調されています。
- 自動拡大:装着している間、内蔵コイルばねの力で自動的に拡大が進むため、定期的にネジを巻く必要がない。
- 装着時間の管理:1日12時間以上の装着を推奨。装着時間が短ければ拡大は遅くなるが、装置の不適合(合わなくなる)を起こすことはない。
- 拡大量:1つの装置で最大8mmまで拡大可能。従来は拡大量が大きい症例で2つの装置が必要だった場面を1つで完結するケースが増える。
- 臨床フローの継続性:拡大ネジの置換にとどまり、治療法自体は従来と変わらないため既存の臨床フローから移行しやすい。
- 期待される効果:家庭側の「巻き忘れ」「巻きすぎ」といったヒューマンエラーを抑制し、装置の再調整や作り直しといった医院側の負担を軽減することが期待される。
第5回 全国大会の報告と議論の内容
オルソエースは2026年6月21日に開催された「第5回 全国大会」(東京・野村コンファレンスプラザ日本橋)で理事講演として発表されました。同大会の開催レポートは公式サイトに公開されており、発表内容や討議の様子がまとめられています(レポート公開URLは本文末に記載)。
大会は「子どものお口、今なにが起きている? ― 小児矯正と口腔機能を見直す ―」をテーマに、専門家による招待講演および理事講演、ポスターセッションが行われ、会員間の知見共有の場となりました。
開催概要と参加状況
開催は2026年6月21日(日)10:00〜16:00、会場は野村コンファレンスプラザ日本橋6F大ホールで行われました。大会長は理事の樋田秀一が務め、全国から会員267名が参加しました。
- 開催日
- 2026年6月21日(日)10:00〜16:00
- 会場
- 野村コンファレンスプラザ日本橋 6F大ホール
- 大会長
- 樋田 秀一(理事)
- 参加者数
- 267名(会員)
講演とポスターの要旨
プログラムでは招待講演2題、理事講演1題、ポスターセッションにより臨床事例10題の発表が行われました。参加者からは口腔機能と全身発育の関連性や、チーム医療のあり方についての再確認が寄せられています。
- 招待講演①(北村清一郎:徳島大学名誉教授):「“子どものお口ぽかん”と舌機能の関わり-解剖学的見地から」。近年の育児環境や食生活の変化が舌の使用機会を減らし、中顔面の成長や鼻呼吸に影響を及ぼす構造的な関係を解説した。
- 招待講演②(濱田智恵子:株式会社Tomorrow Link代表取締役、歯科衛生士):「疾病を生まない口腔づくりへ ― 矯正×チーム医療が拓く生涯予防」。矯正を見た目改善だけでなく、むし歯や歯周病を生まないための予防医療として捉え直す視点とチーム医療の重要性を提示した。
- 理事講演(花田真也:統括指導医):新装置「オルソエース」の発表。装置の原理、臨床での運用方針、期待される効果などについて説明があった。
ポスターセッションでは会員から寄せられた10題の臨床症例が発表され、各地の臨床での適用や課題について活発に議論されました。
提供体制・製作とスケジュールの詳細
オルソエースの提供は段階的に行われます。2026年7月からは日本小児矯正研究会(POJ)の会員歯科医院に限定して提供が開始され、一般提供は2027年を予定しています。まずは会員臨床での知見収集と使用方法の共有体制を整備することが重視されています。
装置の製作は2つの技工所(TAKA株式会社/NAOデンタルラボラトリー)が担当し、販売は株式会社バイオデントが行います。学会側は提供体制の役割分担を明示しており、臨床運用とデータ収集、教育の流れを確保する計画です。
提供スケジュール(時系列)
- 2026年7月〜:日本小児矯正研究会(POJ)会員の歯科医院に限定して提供開始。
- 2027年(予定):一般提供を開始予定。
この段階的な提供は、まず会員医院での適切な運用方法と症例蓄積を行い、使用上の注意点や適応症例を整理したうえで広く一般提供へ移行するという運用方針です。
製作・販売の体制と認証情報
装置製作はTAKA株式会社およびNAOデンタルラボラトリーの2技工所が担当します。オルソエース本体の販売は株式会社バイオデントが行うことが発表されています。これにより製作と流通の役割分担が明確化されています。
- 認証番号
- 308AGBZX00006000
- 製作
- TAKA株式会社/NAOデンタルラボラトリー(2技工所)
- 本体販売
- 株式会社バイオデント
まとめ:要点一覧と本文の整理
ここまでに示した情報を整理すると、オルソエースは従来の拡大ネジをコイルばねに置き換えることで、家庭側と医院側の負担を軽減する設計を目指した新しい小児矯正装置です。学会は段階的な提供と臨床データの蓄積を優先して運用を進めます。
以下に本記事で言及した主要項目を表で整理します。機器固有の情報、提供スケジュール、関連大会の概要、連絡先情報などを網羅しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 装置名 | オルソエース(OrthoACE) |
| 方式 | 内蔵コイルばねによる自動拡大(Auto Coil Expansion) |
| 認証番号 | 308AGBZX00006000 |
| 推奨装着時間 | 1日12時間以上(短いと拡大が遅くなるが不適合は生じない) |
| 最大拡大量 | 1台で最大8mmまで拡大可能 |
| 提供開始(会員向け) | 2026年7月〜(日本小児矯正研究会 会員歯科医院限定) |
| 一般提供開始(予定) | 2027年(予定) |
| 装置製作 | TAKA株式会社、NAOデンタルラボラトリー(2技工所) |
| 本体販売 | 株式会社バイオデント |
| 学会名 | 一般社団法人 日本小児矯正研究会(代表:杉岡真一) |
| プレスリリース公開日時 | 2026年7月29日 10:00 |
| 第5回全国大会 開催日・会場 | 2026年6月21日(日)10:00〜16:00 / 野村コンファレンスプラザ日本橋 6F大ホール |
| 大会参加者数 | 267名(会員) |
| 大会長・主要講演者 | 大会長:樋田秀一(理事)/招待講演:北村清一郎(徳島大学名誉教授)、濱田智恵子(株式会社Tomorrow Link代表)/理事講演:花田真也(統括指導医) |
| 問い合わせ先(学会) | 一般社団法人 日本小児矯正研究会 Mail:koho@jsro.jp Web:https://jsro.jp/ |
| 関連レポート | 第5回全国大会 開催レポート(全文)、開発の背景と装置について広報レポート |
以上が報道発表の要旨と詳細の整理です。学会は会員医院での臨床運用を通じて適切な使用方法と症例の蓄積を進め、段階的に提供範囲を広げる方針を示しています。ご関心がある場合は上記の問い合わせ先にて詳細を確認できます。