TOPPAN、トレーディングカード向け遮光紙ピローで脱プラ
ベストカレンダー編集部
2026年6月8日 16:45
紙製遮光ピロー出荷
開催日:6月1日
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紙で実現した遮光ピロー──トレーディングカード包材の脱プラスチック化へ
TOPPANホールディングス傘下のTOPPAN株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:野口 晴彦)は、トレーディングカード向けに遮光性を備えた紙製ピロー包材(以下「本製品」)を開発し、2026年6月から国内外のトレーディングカードメーカーに向けてサンプル出荷を開始すると発表しました(発表日時:2026年6月8日 10時10分)。本製品は独自の材質構成により包材のプラスチック使用量をゼロにし、98%以上の遮光率やメタリックな質感、高品質な製袋技術を組み合わせることで、紙製でありながら従来のプラスチック包材と同等の機能性と意匠性を両立させています。
本章では、なぜこの製品が必要とされ、どのような経緯で開発されたのかを背景と合わせて整理します。国内外の規制動向や市場拡大の状況を踏まえ、トレーディングカード業界が抱えていた課題とTOPPANが目指した解決点を明確にします。
市場の拡大と環境規制がもたらす課題
近年、トレーディングカード市場は急速な拡大を続けています。発表資料によれば、2024年度の市場規模は2019年度比で約3倍の3,000億円を突破しました(※2)。アパレルや飲食チェーンとのコラボレーションが増え、世代や国境を越えた文化として定着しています。
一方で、欧州を中心とした包装資材への規制強化や温室効果ガス排出抑制への要請、脱プラスチックの要求が高まっており、グローバルに展開するメーカーからは環境配慮設計の要求が強まっています。包材の素材変更は単に素材を変えるだけでなく、機能性(遮光・保護)や生産品質の維持という技術的課題も伴います。
開発体制と技術的なハードル
紙素材へ移行する際に特に問題となるのは、開封前に中身が判別される“サーチ行為”の抑止と、紙面のシワや成形性の確保です。TOPPANはこれらの課題に対し、自社の紙製パッケージ開発・生産技術を活かして取り組みました。
具体的には、素材選定を見直し、アルミ蒸着による高遮光化、ヒートシール性を有するコート層の採用、そして製袋工程における専用設備の開発により、紙製でありながら中身を透けさせない高い機能性と安定した生産品質を確保しています。これにより、紙素材の採用による環境負荷低減と実用性の両立を図っています。
製品設計の核心――材質、遮光、見た目、製袋技術
本製品の設計は大きく三つの要素で特徴付けられます。第一に、プラスチック使用量ゼロを実現した材質構成、第二に98%以上という高い遮光性能とメタリックな意匠性、第三に紙特有のシワを抑制する専用製袋機による高品質生産です。
以下ではそれぞれの要素を具体的に説明します。設計の意図と技術的な工夫がどのように結びついているかを、機能面と生産面の両方から示します。
材質構成と紙マークの取得要件
本製品は、ヒートシール性を有するコート層と紙素材のみで構成されており、一般に必要とされる強度確保や接着層にプラスチックを用いない設計になっています。これにより包材のプラスチック使用量はゼロとされています。
さらに、国内において紙重量比が51%以上であるため、パッケージに「紙マーク」を付与可能です。企業側はこの表示を通じて資源循環への取り組みを可視化して訴求することができます。
- 材質構成:紙素材 + ヒートシール性コート層(プラスチック層を用いない)
- 紙マーク条件:紙重量比51%以上(国内ルールに準拠)
遮光性・意匠性・製袋の工夫
遮光性はアルミ蒸着層を紙素材に施すことで98%以上を確保しています。この高い遮光率により、開封前に中身を判別できないようにし、いわゆるレアカードのサーチ行為を抑止します。
加えて、アルミ蒸着層の上に直接印刷を行う構造を採用することで、メタリックな質感を実現し、従来のプラスチック包材と同等のデザイン再現性や鮮やかな発色を可能にしています。見た目の面でもプラスチック包材との遜色がない設計です。
- 遮光率
- 98%以上(アルミ蒸着による高遮光化)
- 意匠表現
- アルミ蒸着層上に直接印刷し、メタリック質感と高発色を実現
- プラスチック使用量
- ゼロ(ヒートシール性コートと紙のみの構成)
製袋時のシワを抑えるために、TOPPANは専用の製袋機を独自に開発しました。折り込み部の治具改良や送り出しローラーの改良を行うことで、紙素材の弱点であるシワ発生を低減しながら高速な折り込みを達成しています。
供給計画、数値目標、提供先の範囲
TOPPANは本製品について、2026年6月にサンプル出荷を開始し、2026年秋から専用ラインでの量産を開始する予定です。量産開始時点で年間3,000万パックの供給体制を構築し、2030年までに関連受注を含めて10億円の売上を目指します。
提供対象は国内外のトレーディングカードメーカーであり、グローバルに加速する環境負荷低減の取り組みに貢献することを掲げています。発表では国内初の開発という点についてTOPPAN調べとして注記が付されています(※1)。
導入スケジュール(要点)
- 2026年6月:国内外メーカー向けにサンプル出荷開始
- 2026年秋:専用ラインでの安定した量産開始
- 量産開始時点の目標供給量:年間3,000万パック
- 2030年までの売上目標:10億円(関連受注含む)
このスケジュールは製袋機導入や生産ラインの整備を前提としており、グローバル市場での導入拡大に伴い供給体制を強化していく計画です。
提供による期待される効果と対象範囲
本製品を採用することで、トレーディングカードメーカーはパッケージの脱プラスチック化を実現でき、環境配慮を訴求することが可能になります。加えて、98%以上の遮光性により開封前のサーチ抑止、メタリックな印刷表現により意匠性の維持、そして専用製袋機による高品質な仕上がりが期待されます。
対象は国内外のトレーディングカードメーカーに加え、関連するパッケージデザインや流通の関係者にも波及する可能性があります。企業は製品採用を通じて資源循環やサステナブルな取り組みを可視化できる点も示されています。
要点整理(製品データとスケジュール)
以下に、本記事で扱った主要な事実と数値を表形式で整理します。表は製品の基本情報、性能数値、スケジュール、目標値、出典を含めています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発表企業 | TOPPAN株式会社(TOPPANホールディングスグループ) |
| 発表日時 | 2026年6月8日 10時10分 |
| 製品 | 遮光性のある紙製ピロー包材(トレーディングカード向け) |
| 主要特徴 | プラスチック使用量ゼロ、98%以上の遮光率、メタリック質感、シワ抑制の専用製袋機 |
| 材質構成 | 紙素材 + ヒートシール性コート層(プラスチック層不使用) |
| 遮光率 | 98%以上(アルミ蒸着による) |
| 紙マーク付与条件 | 紙重量比51%以上(国内基準により紙マーク付与可能) |
| サンプル出荷開始 | 2026年6月 |
| 量産開始 | 2026年秋(専用ライン) |
| 量産時の供給体制目標 | 年間3,000万パック |
| 売上目標 | 2030年までに関連受注含め10億円 |
| 対象顧客 | 国内外のトレーディングカードメーカーおよび関連企業 |
| 出典/備考 | TOPPAN発表(2026年6月8日)。国内初の表現はTOPPAN調べ(※1)。市場規模は日本玩具協会の公表資料を参照(※2)。関連リンク:発表資料 |
以上が本製品に関する主要情報の整理です。製品は紙素材の利点を活かしつつ、遮光性や意匠性、量産時の品質を確保する点が強調されています。関連する注記として、製品の表記や市場規模の数値は発表日現在のものであり、その後予告なく変更される可能性がある旨が示されています。
- ※1
- TOPPAN調べ。2026年6月時点における国内のトレーディングカード市場に関する表現。
- ※2
- 一般社団法人 日本玩具協会「2019年度国内玩具市場規模」「2024年度国内玩具市場規模」を参照。https://www.toys.or.jp/(発表資料に記載のPDFあり)
本稿はTOPPANのリリース内容を基に整理・解説したものであり、記載の各種数値やスケジュールは発表当時の情報に基づいています。今後の製品展開や採用状況に伴い、具体的な導入事例や追加の技術情報が発表されることが期待されます。