重文指定20周年|長崎奉行所資料62点展
ベストカレンダー編集部
2026年5月17日 20:56
長崎奉行所資料展
開催期間:4月28日〜6月28日
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長崎奉行所関係資料――重文指定20周年を機に浮かび上がる江戸期長崎の行政と交流
長崎歴史文化博物館では、特集展示「重文指定20周年 長崎奉行所関係資料の世界」を開催中です。会期は2026年4月28日(火)~6月28日(日)で、長崎奉行所にて作成・保管され、現在当館に収蔵されている1,242点(文書類1,176点、絵画類66点)
この特集展示は、平成18年(2006)6月9日に国の重要文化財に指定された長崎奉行所関係資料のうち、長崎奉行の行政・司法・貿易統制・外交・警衛・キリシタン禁圧にかかわる文書など46点の重要文化財と、関連資料16点をあわせた合計62点を紹介するものです。展示は常設展示室内の歴史文化展示ゾーンに設けられた特集展示室(2階)で行われています。
展示の見どころと主要資料の紹介
展示は、大きく行政関係、貿易統制、司法関係、漂流民送還体制といったテーマに分かれており、当時の長崎が担っていた多面的な役割が資料を通じて示されています。展示資料は原資料の実物を中心に構成され、文書と絵画資料の双方が並びます。
以下に、プレスリリースで挙げられた各分野の主要資料と内容を具体的に整理して紹介します。展示では原資料の記載ページと対応する奉書や書付をあわせて提示する場合もあります(資料画像に付された赤矢印の参照表示も含む)。
行政関係:御奉書御書付類目録(国指定重要文化財)
御奉書御書付類目録(ごほうしょおかきつけるいもくろく)は、長崎奉行所に届いた幕府からの奉書や覚書、書付などを目録として記録したもので、全部で9冊が現存します。奉書の送付先や記載の文言は、江戸幕府と長崎奉行所との連携や指示系統を示す重要な一次資料です。
展示の一例として、老中の田沼意次ら3名から長崎奉行の柘植長門守正寔(つげながとのかみまさたね)宛に宛行された奉書が目録内に書かれているページと、該当する奉書の両方を並べて展示しています。原資料の目録と奉書を同じ場で確認できる構成です。
貿易統制:信牌と割符留帳(国指定重要文化財)
長崎は江戸期における対外貿易の中心地であり、唐船に対する出入港と貿易は厳格に管理されていました。貿易許可を示す書類として、唐船の船主に与えられた許可証が信牌(しんぱい)であり、その発給原簿が割符留帳(わっぷどめちょう)です。
信牌は牌主(名義人)や船主名、立会った唐通事の連名とともに記載され、割符留帳には発給の記録と印影が残されています。展示では現存の信牌と割符留帳を照合したページや、信牌と割符留帳の陰影を重ね合わせた資料を提示し、許可の管理過程を視覚的に示しています。
司法関係:犯科帳と御仕置伺(国指定重要文化財)
犯科帳(はんかちょう)は、長崎奉行所で取り調べ・判決を下した事件の代表的なものを後世のためにまとめた判例集です。判例の蓄積は奉行所の司法運用や地域統治の実情を伝える重要な資料となります。
合わせて展示される御仕置伺(おしおきうかがい)は、奉行所単独では結論を出せない重大事件や幕府の裁量が及ぶ事案について幕府に諮った記録で、奉行所と幕府の連携関係がうかがえます。展示の具体例として、天保13年(1842)に起きた今下町の絵師「登与助」(川原慶賀)に関する判決記録を紹介しています。
漂流民送還体制とジョン万次郎に関する資料(国指定重要文化財)
漂流民にまつわる文書も展示の重要な柱です。嘉永4年(1851)に帰国した土佐の万次郎(ジョン万次郎)は、アメリカ船に救助され数年間海外に滞在した後、琉球・薩摩を経て長崎に送られ、長崎奉行所で取調べを受けています。長崎滞在中は、他の漂流民とともに寺社参詣を行った記録も残されています。
展示資料名としては、薩州ヨリ送越候無人島漂流日本人一件、および亥二番唐船ヨリ送来候漂流日本人一件が示され、漂流民の来歴や送還の手続き、奉行所の扱いが記録されています。これらも国指定重要文化財として展示されています。
展示の運営情報と観覧にあたっての具体的事項
特集展示は、同館が収蔵する歴史資料や絵画資料を中心としたミニ企画展として位置づけられています。会場は2階の特集展示室(常設展示・歴史文化展示ゾーン内)で、常設展の観覧料で見ることができます。
以下に、会期・休館日・観覧時間・料金などの運営情報を整理します。観覧の条件や割引・無料指定の対象が明記されています。
- 会期:2026年4月28日(火)~6月28日(日)
- 休館日:5月7日(木)、5月18日(月)、6月1日(月)、6月15日(月)
- 会場:特集展示室(2階常設展示室・歴史文化展示ゾーン内)
- 開館時間:8:30~19:00(最終入館18:30)
- 展示総数:62点(うち重要文化財46点、関連資料16点)
- 観覧料金
- 常設展観覧料で本展示を観覧できます。大人630円、小中高生310円。
- 無料対象
- 県内の小中学生、長崎れきぶん友の会会員、キャンパスメンバーズは無料で観覧できます。
- 企画展半券特典
- 2026年5月31日(日)まで、企画展「没後30年 司馬遼太郎の記憶 小林修 写真展」の半券を提示すると本展示を無料で観覧できます(チケット1枚につき1回)。
資料展示方法と見学のポイント
展示では原資料の保存状態を考慮しつつ、資料の記載ページと関連する奉書や書付を併置するなど、一次資料の関係性を確認できる構成になっています。信牌と割符留帳の陰影を重ねた展示など、資料の比較や照合が可能な展示も行われます。
また、江戸時代の長崎奉行所の職務範囲や貿易都市としての長崎の実像を理解するために、行政や司法、貿易管理の文書を横断的に閲覧できるよう配慮されています。展示解説やキャプションを参照すると、個々の資料が持つ史料学的な意味合いが把握しやすくなっています。
長崎歴史文化博物館の概要と展示の位置づけ
長崎歴史文化博物館は、長崎の海外交流史をテーマに貴重な歴史資料や美術作品を展示する施設です。敷地内には江戸時代の長崎奉行所の一部が復元され、歴史を学ぶための常設展示や多彩な企画展・イベントを実施しています。
同館は2025年11月3日に開館20周年を迎えており、今回の特集展示は、重文指定20周年という節目に当たる資料群を再評価・公開する機会と位置づけられています。長崎の近世史や対外交流、裁判記録や漂流民の史実を示す資料群が一堂に会する企画です。
| 施設名 | 長崎歴史文化博物館 |
|---|---|
| 所在地 | 〒850-0007 長崎県長崎市立山1丁目1番1号 |
| 連絡先 | TEL 095-818-8366 / FAX 095-818-8407 / E-mail info-his@nmhc.jp |
| URL | https://www.nmhc.jp/ |
| 開館20周年 | 2025年11月3日 |
展示の意義と資料群の保存状況
長崎奉行所関係資料は、江戸時代に長崎奉行所で作成・保管され、長崎県が所有し、現在は当館が収蔵しています。これらの文書・絵画は、江戸時代の日本における政治、外交、貿易の動向を研究するにあたり重要な一次史料として評価され、平成18年(2006)6月9日に国の重要文化財に指定されました。
今回の特集展示では、重要文化財46点と関連資料16点を含む62点を公開することで、長崎奉行所の具体的な職務や手続き、地域社会との関係性、海外交流の実態などを資料に基づいて示しています。保存と公開の両立を図りつつ、研究と教育に資する展示が意図されています。
展示内容の要点まとめ
以下の表は、本記事で取り上げた特集展示の主要事項を整理したものです。会期・休館日・開館時間、展示点数、主要資料の名称と概要、観覧料金・無料対象などを網羅しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 展覧会名 | 特集展示「重文指定20周年 長崎奉行所関係資料の世界」 |
| 会期 | 2026年4月28日(火)~6月28日(日) |
| 休館日 | 5月7日(木)、5月18日(月)、6月1日(月)、6月15日(月) |
| 開館時間 | 8:30~19:00(最終入館18:30) |
| 展示点数 | 62点(重要文化財46点、関連資料16点) |
| 主な展示資料 |
|
| 観覧料金 | 大人630円/小中高生310円(常設展観覧料で本展示を観覧) |
| 無料対象 | 県内小中学生、長崎れきぶん友の会、キャンパスメンバーズ |
| 企画展半券優待 | 「没後30年 司馬遼太郎の記憶 小林修 写真展」半券提示で本展示を無料(2026年5月31日まで、チケット1枚につき1回) |
| 会場 | 特集展示室(2階常設展示室・歴史文化展示ゾーン内) |
| 収蔵点数(長崎県所有→当館収蔵) | 1,242点(文書類1,176点、絵画類66点) |
以上が、長崎歴史文化博物館における特集展示「重文指定20周年 長崎奉行所関係資料の世界」の主な内容と観覧情報の整理です。展示資料は江戸時代の長崎奉行所の行政・司法・貿易・外交・警衛・キリシタン禁圧に関する一次史料であり、史料としての重要性が高い点が特徴です。