ベストカレンダーのロゴ ベストカレンダー

被爆80周年・広島発『信頼の募金箱』映像公開

信頼の募金箱映像公開

開催日:4月5日

📅 カレンダーに追加:GoogleiPhone/Outlook

『信頼の募金箱』って何なの?
「ピース・イン・ザ・ダーク@広島」の終盤に置かれた、鍵も蓋もないオープンな募金箱を題材にしたプロジェクト名。1945年の旧日本銀行広島支店の“信頼”の逸話を現代に問い直す映像作品として制作・公開されました。
募金はどう使われたの?
イベントで集まった募金は合計196,496円で、ガザの子どもたちへの支援に充てられました。参加者の96%が「人への信頼感が高まった」と回答し、期間中に募金が持ち去られることはありませんでした。

暗闇の体験が問いかけた「信頼」——広島で生まれた『信頼の募金箱』の物語

一般社団法人ダイアローグ・ジャパン・ソサエティ(以下、ダイアローグ・ジャパン・ソサエティ)は、被爆80周年にあたる2025年8月、旧日本銀行広島支店を会場に没入型イベント「ピース・イン・ザ・ダーク@広島」を開催しました。完全な暗闇の中で感覚と対話を再考するこのプログラムの終わりに設置されたのが、鍵も蓋もない開かれた募金箱、『信頼の募金箱(Uncovered Donation Box)』です。

この取り組みは、1945年8月6日に広島で発生した被爆直後の逸話──原子爆弾投下後まもなく営業を再開した旧日本銀行広島支店において、通帳や印鑑を失った市民に対し支店長・吉川智慧丸(よしかわ・ちえまる)氏が「私がすべての責任を取る」と述べ預金の払い出しを再開した出来事──に着目したものです。ダイアローグ・ジャパン・ソサエティはこの歴史的な信頼のエピソードを現代に問い直す形で体験を設計しました。

歴史的背景と今回の試みの出発点

1945年8月6日の原爆投下後、旧日本銀行広島支店は爆心地から約380メートルの位置にあり、被害を受けながらも現地では2日後の8月8日に営業を再開しました。当時、12の民間銀行等に窓口を貸し、通帳や印鑑を持たない人々への預金の払い出しを実施しました。

この対応を指揮した支店長・吉川智慧丸氏の言葉と行動は、「日本銀行の奇跡」と呼ばれ、その後の災害時対応にも影響を与え、1995年の阪神・淡路大震災や2011年の東日本大震災でも同様の精神が参照されたと伝えられます。後日の確認では、申告額と実際の残高はおおむね一致していたことが記録されています。

  • 場所:旧日本銀行広島支店
  • 出来事:1945年8月8日 営業再開、通帳・印鑑を失った市民へ払出
  • 支店長:吉川 智慧丸(よしかわ・ちえまる)氏

映像公開とその意図——良心の国際デーに合わせて届けられたメッセージ

ダイアローグ・ジャパン・ソサエティは、80年前の広島での信頼のエピソードが示す価値を世界に伝えるため、プロジェクトから生まれた映像『信頼の募金箱 Uncovered Donation Box』を、国連が定める「良心の国際デー(International Day of Conscience)」に合わせて公開しました。公開日は2026年4月5日です。

「良心の国際デー」は2019年の国連総会で制定され、愛と良心に基づく平和の文化を促進することを目的として毎年4月5日に位置づけられています。ダイアローグ・ジャパン・ソサエティは、この国際デーの意義と被爆80周年が持つ歴史的文脈を重ね合わせ、映像を通じて平和と信頼の価値を改めて示しました。

映像に込められた問いと描かれた対照

映像は、1945年の「すべてを失った焼け野原における正直さ」と、2025年の「開かれた募金箱が奪われなかった事実」を対比させ、80年を超えた一貫した人間の良心を浮かび上がらせます。制作陣は映像のラストで「私たちはもっと人を信じる」と問いかけることで、観る者に信頼の再検討を促します。

公開にあたっては、映像の意図を明確にするため、制作クレジットと制作陣の役割が公表されています。以下のURLから映像を視聴できます:
https://youtu.be/_S6fMVYYLJs

タイトル
信頼の募金箱 Uncovered Donation Box
公開日
2026年4月5日(日)

イベントの結果と支援の行方——数字が示す信頼の現実

「ピース・イン・ザ・ダーク@広島」における『信頼の募金箱』は、鍵のない開かれた形で会場の出入り口付近に設置されました。イベントは満員で開催され、募金箱が設置されていた期間中に募金が持ち去られるといった行為は発生しませんでした。

参加者へのアンケートでは96%が「人への信頼感が高まった」と回答し、募金総額は196,496円に達しました。集められた寄付はガザの子どもたちへの支援に充てられています。こうした結果は、オープンな状況下での人々の行動が信頼に裏付けられていることを示す具体的な数値です。

  1. 参加者の信頼感向上率:96%
  2. 募金総額:196,496円
  3. 寄付先:ガザの子どもたちへの支援
  4. イベント状況:満員開催、募金の持ち去り等は無し

社会的文脈と現代への投影

世界各地で続く戦争や紛争の現状を前に、このプロジェクトは80年前の広島で示された信頼の精神が現代にも通用することを可視化しました。過去の逸話が示す「人はどんなときでも信頼できる存在である」という考え方が、実際の行動と寄付という形で確認された点が重視されます。

ダイアローグ・ジャパン・ソサエティは、映像公開を通じてこのメッセージを国内外に発信することを意図しています。映像は国際デーに合わせて公開され、平和と信頼の文化を広めることを目指しています。

制作陣、プログラムの背景と組織の取り組み

今回の映像制作には複数のクリエイティブメンバーが携わっています。制作陣の名前と役割が公表されており、作品の意図と表現に関する責任者が明確です。

また、ダイアログ・イン・ザ・ダーク自体の歴史やダイアローグ・ジャパン・ソサエティの組織的背景も、今回のプロジェクトを理解する上で重要です。1988年にドイツの哲学博士アンドレアス・ハイネッケの発案で始まったプログラムは、視覚を制限することで他の感覚と対話を促す社会的エンターテイメントとして発展してきました。

制作チーム(公表情報)

以下が映像制作に関わった主要メンバーの一覧です。役割ごとに整理しました。

Creative Director / Copywriter
阿部 広太郎
Creative Director / Art Director
高橋 理
Designer
イースピン
Creative Producer
劉 栄俊
Producer
稲川 真矢
Director / Director of Photography
市川 丈司

ダイアログ・イン・ザ・ダークと団体情報

ダイアログ・イン・ザ・ダークは、視覚障害者の案内により、完全に光を遮断した“純度100%の暗闇”の中で視覚以外の感覚とコミュニケーションを楽しむプログラムです。これまで約50カ国で開催され、延べ約900万人が体験しました。日本では1999年11月の初開催以降、これまで30万人以上が体験しています。

ダイアローグ・ジャパン・ソサエティは1999年以降、「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」「ダイアログ・イン・サイレンス」「ダイアログ・ウィズ・タイム」などのプログラムを実施し、これまで延べ約33万人が参加しています。2020年8月には東京・竹芝にダイアログ・ダイバーシティミュージアム「対話の森」を開設し、常設の体験拠点を設けています。

記事の要点を表に整理

以下に本記事で取り上げた主な情報を表形式でまとめます。日付、場所、金額、関係者などが一覧で把握できます。

項目 内容
映像タイトル 信頼の募金箱 Uncovered Donation Box
公開日 2026年4月5日(良心の国際デーに合わせて公開)
映像URL https://youtu.be/_S6fMVYYLJs
主催 一般社団法人ダイアローグ・ジャパン・ソサエティ(共催:広島市・中國新聞社)
会場(イベント) 旧日本銀行広島支店(ピース・イン・ザ・ダーク@広島)
歴史的背景 1945年8月8日、旧日本銀行広島支店は営業を再開。支店長・吉川智慧丸氏が責任を取ると述べ、通帳・印鑑を失った市民に払出を行った。
参加者の反応 96%が「人への信頼感が高まった」と回答
募金総額 196,496円(寄付先:ガザの子どもたちへの支援)
制作チーム(主要) 阿部広太郎(Creative Director/Copywriter)、高橋理(Creative Director/Art Director)、イースピン(Designer)、劉栄俊(Creative Producer)、稲川真矢(Producer)、市川丈司(Director/Director of Photography)
ダイアログ・イン・ザ・ダーク概要 1988年発祥(アンドレアス・ハイネッケ)。約50カ国、延べ約900万人が体験。日本では1999年以降で30万人以上が体験。
団体情報 一般社団法人ダイアローグ・ジャパン・ソサエティ:対話を通して平和と信頼の価値を社会に発信。対話の森(東京・竹芝)を運営。

本記事では、被爆80周年を背景に行われた暗闇体験とそこから生まれた『信頼の募金箱』の経緯、結果、そして公開された映像の意図と制作体制を整理しました。歴史的な逸話と現代の行動が結びつくことで、信頼という普遍的な価値がどのように表出するかを明確に示しています。