4/11開幕|中央アジアの手仕事展:刺繍と銀飾 広島コレクション
ベストカレンダー編集部
2026年3月30日 12:08
中央アジアの手仕事展
開催期間:4月11日〜6月14日
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シルクロードの色彩と銀の重み——ウズベクとトルクメンの手仕事を巡る
渋谷区立松濤美術館が2026年4月11日(土)から6月14日(日)まで開催する特別展は、広島県立美術館が所蔵する中央アジアの染織とジュエリーコレクションを紹介するものです。シルクロードという広域の交流路で育まれた図像や技法、素材の選択が、地域ごとの暮らしや信仰、婚礼習慣とどのように結びついているかを、実物資料を通して確認できます。
本章ではまず、展覧会全体の背景と対象となる民族、素材感について概観します。紹介される主な民族はウズベク人とトルクメン人であり、前者はオアシス都市で発達した刺繍布〈スザニ〉を、後者は遊牧生活と結びついた銀製ジュエリーを中心に制作してきました。今回の出品は19世紀から20世紀初頭の作例が多く含まれます。
プロローグ:交流の道としてのシルクロード
シルクロードは絹を含む物産の交易路であると同時に、文化・宗教の交差点でした。中央アジアには2000年以上の交流の歴史があり、ペルシア系文様やイスラム美術の抽象化された装飾が多くの工芸に浸透しています。本展はその影響関係を素材と技法から読み解く構成です。
本展が取り上げるのは、ウズベクやトルクメンの生活に根ざした「用の美」です。刺繍や装身具は単なる装飾を超え、婚礼習慣や護符的役割、社会的地位の表示に直結していました。展示品には〈女性用被衣(チルピ)〉《花嫁用頭飾り》《刺繍布(スザニ)》などが含まれます。
- 出品元
- 広島県立美術館コレクション
- 対象民族
- ウズベク人、トルクメン人(テケ族、ヨムート族、エルサリ族など)
- 主な素材
- 絹糸、綿布、銀、カーネリアン(紅玉髄)など
スザニの世界:技法・用途・制作工程の詳細
スザニは中央アジアの刺繍布で、語源はペルシア語の「針(スザン)」に由来します。一般的にスザニと呼ばれるものの中にも用途や呼称の違いがあり、礼拝用の布は〈ジャイナマズ〉、赤い円文を特徴とするものは〈オイ・パラック〉と呼ばれるなど細かな区別があります。
展覧室では19世紀後半から20世紀にかけてウズベクで制作された大判のスザニを中心に、下絵の描き方、分業による刺繍工程、縫い合わせの実例を確認できます。スザニは大判で縦横2mを超えることがあり、複数の細幅布を縫い合わせて一枚に仕立てる技法が用いられます。
制作工程の詳細
制作は下絵の作成から始まり、色名や位置を記したインクの指示が残る布が多く見られます。その後、複数の女性が分担して絹糸で刺繍を施し、最終的に縫い合わせて完成させます。担当者が異なることで、針目や色選択が部分ごとに異なることもあります。
- 下絵:木綿布や絹布にインクで描く
- 刺繍糸:主に絹糸を使用
- 分業:家族や一族で分担し、仕上げは縫い合わせ
- 用途:婚礼持参品、室内装飾、礼拝用など
本章では《刺繍布(スザニ)》19世紀後半、《刺繍布(ジャイナマズ)》19世紀中期など実作を展示し、文様ごとの名称や生活史的意味も解説します。
銀と石の語ること:トルクメンのジュエリーと装身具
トルクメンのジュエリーは遊牧民の生活と密接に結びつき、装飾と実用、護符的信仰が複合した造形を示します。主素材は銀で、そこにカーネリアンなどの石をはめ込む例が多く見られます。これらは単なる美の表現にとどまらず、所有者の財産や部族を示す記号として機能しました。
展示では〈背飾り(ゴシャ・アシク)〉〈首胸飾り(ブカウ)〉〈護符入れ(トゥマル)〉〈鞭(ガムチ)〉〈こめかみ飾り(アダムリク)〉〈女性用刺繍靴〉など、用途や着用部位が多岐にわたる装身具を実物で紹介しています。時代は18世紀から20世紀初頭に及びます。
素材と信仰の関係
銀はイスラム文化圏で清浄の象徴とされ、トルクメンのジュエリーでも主要素材となりました。赤い石であるカーネリアンは、怪我や出血から守ると信じられていたため、頭飾りや首飾りといった露出する部分に多用されました。
- 用途:護符、財産表示、部族識別
- 素材:銀、カーネリアンなどの半貴石
- 着用場面:婚礼、通過儀礼、日常の装い
出品目録には各作品の推定年代と所属部族(テケ族、ヨムート族、北ヨムート族、ジャファバイ・ヨムート族、エルサリ族など)が明記されており、展示解説では形式比較と地域差の読み取りを丁寧に行っています。
展覧会の実務情報と関連イベントの詳細
渋谷区立松濤美術館での開催情報は以下のとおりです。会期は2026年4月11日(土)から6月14日(日)まで、開館時間は午前10時から午後6時(毎週金曜日は午後8時まで)で、入館は閉館の30分前まで受け付けます。
休館日は原則月曜日ですが、5月4日(月・祝)は開館します。加えて4月30日(木)と5月7日(木)は休館となります。会場の住所や連絡先、アクセス情報も明示されています。
| 会場 | 渋谷区立松濤美術館 |
|---|---|
| 会期 | 2026年4月11日(土)~ 6月14日(日) |
| 開館時間 | 午前10時~午後6時(毎週金曜日は午後8時まで)※入館は閉館30分前まで |
| 休館日 | 月曜日(ただし5月4日は開館)、4月30日、5月7日 |
| 住所・電話 | 〒150-0046 東京都渋谷区松濤2-14-14 電話:03-3465-9421 |
| 公式URL | https://shoto-museum.jp/exhibitions/211asia/ |
入館料と免除・割引の詳細
入館料は年齢層・区民・団体により細かく定められています。団体料金は10名以上が対象です。また、曜日や条件により無料となる場合がありますので下表で確認できます。
- 一般
- 1,000円(団体・渋谷区民:800円)
- 大学生
- 800円(団体・渋谷区民:640円)
- 高校生・60歳以上
- 500円(団体・渋谷区民:400円)
- 小中学生
- 100円(団体・渋谷区民:80円)※土・日・祝日は小中学生無料
- 障がい者
- 障がい者及び付添1名は無料
- 毎週金曜日
- 渋谷区民は無料
開催イベント一覧と申し込み方法
展覧会会期中は複数の関連イベントを実施します。多くの催しは無料ですが、入館料が別途必要です。定員が設定されているイベントは事前申込が必要で、応募多数の場合は抽選となります。
- 食文化セミナー「中央アジアの食卓から~料理が語る文化と歴史」
日時:5月17日(日)午後2時~(約1時間30分)地下一階ホール
講師:山田有佐子氏(おいしい中央アジア協会代表理事)/中央アジアのお茶の試飲付き
定員:70名 申込締切:4月27日(月) - 記念講演会「シルクロードの手仕事~ウズベクとトルクメンの染織とジュエリーを中心に」
日時:5月23日(土)午後2時~(約1時間30分)地下一階ホール
講師:福田浩子氏(広島県立美術館学芸課長) 定員:70名 申込締切:4月27日(月) - コンサート「中央アジアを紡ぐ旋律~シルクロードの伝統楽器ドゥタール」
日時:6月7日(日)午後2時~(約1時間)地下一階ホール
出演:駒﨑万集氏(ドゥタール奏者) 定員:70名 申込締切:5月11日(月) - 学芸員によるギャラリートーク
日程:4月26日(日)、5月9日(土)、5月15日(金)各日午後2時~(約40分) 事前申込不要 - 館内建築ツアー(白井晟一設計)
日程:4月17日、24日、5月1日、8日、15日、22日、29日、6月5日、12日 各日午後6時~(約40分) 定員約20名・事前申込不要
1~3のイベント申込は往復はがきまたは当館ホームページの申込フォームで受け付けます。往復はがきには〒・住所・氏名(ふりがな)・日中連絡のつく電話番号・参加希望イベントを明記してください。1通につき1名の申込みとなります。
申込フォームは当館ホームページ上のイベントフォームを利用してください。迷惑メール等の受信制限がある場合は、当館ドメイン「@shoto-museum.jp」からのメールを受信できるよう設定してください。
写真撮影・画像提供・報道対応、会場アクセスと最後の整理表
第3章の一部展示については来館者による写真撮影が可能とされています。撮影の可否や使用条件は会場内の表示および当館の指示に従ってください。報道関係の画像提供については、作品名の前にある番号を指定のうえ申請する方式が案内されています。
報道関係お問い合わせは広報担当(白石)宛で、メールは pr-sma@shoto-museum.jp、電話:03-3465-9421、FAX:03-3460-6366です。画像利用は本展紹介に限られ、使用後のデータ破棄や掲載後の見本誌送付などの条件が記載されています。
| アクセス |
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|---|---|
| 注意事項 | 展覧会の会期・開館時間・イベント等は変更・中止となる場合があり、最新情報は当館HPまたはSNSで確認すること。 |
以下に本記事で扱った主要項目を整理します。展示内容、会期・会場、入館料・休館日、主なイベントと申込締切、連絡先を一覧にまとめました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 展覧会名(和文) | 中央アジアの手仕事 ―華麗なる刺繍とジュエリー 広島県立美術館コレクションより |
| 会期 | 2026年4月11日(土)~ 6月14日(日) |
| 開館時間 | 午前10時~午後6時(毎週金曜日は午後8時まで)※入館は閉館30分前まで |
| 休館日 | 月曜日(5月4日は開館)、4月30日、5月7日 |
| 入館料 | 一般1,000円(団体・渋谷区民800円)、大学生800円(640円)、高校生・60歳以上500円(400円)、小中学生100円(80円)※土日祝は小中学生無料、毎週金曜は渋谷区民無料、障がい者及び付添1名無料 |
| 主催・協力 | 主催:渋谷区立松濤美術館 特別協力:広島県立美術館 企画協力:キュレイターズ |
| 主なイベントと申込締切 |
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| 申し込み方法(1~3のイベント) | 往復はがきまたは当館ホームページの申込フォーム。往復はがきは〒・住所・氏名(ふりがな)・電話番号・参加希望イベントを明記。応募多数の場合は抽選。 |
| 連絡先 | 渋谷区立松濤美術館 電話:03-3465-9421 メール:pr-sma@shoto-museum.jp URL:https://shoto-museum.jp/exhibitions/211asia/ |
本展は、中央アジアの刺繍とジュエリーという二つの顔を通じて、生活文化と信仰、交易の歴史がどのように手仕事に結晶したかを示す構成になっています。展示資料の年代や出自、展示室での撮影可否、イベントの申込方法や期限などの実務情報は上の表にまとめたとおりです。報道関係者には画像提供の条件も案内されていますので、利用時は所定の手続きを確認してください。