東京消防出初式 (年中行事 1月6日)
- 起源
- 1659年(万治2年)定火消が上野東照宮で一年の働きを誓った
- 背景の災害
- 1657年明暦の大火(死者10万人超、江戸時代最大)
- 主催
- 東京消防庁(全国各地でも消防署・消防団が実施)
- 主な内容
- 一斉放水・消防演習、梯子乗り・木遣り歌、功労者表彰
- 時期
- 毎年1月上旬(新年の季語)
1657年(明暦3年)1月、江戸を襲った大火は3日間燃え続け、外堀内のほぼ全域を焼き尽くしました。死者は諸説ありますが、10万人を超えるとも記録される江戸時代最大の大火——「明暦の大火」です。江戸城の天守も失われ、町は一面の焦土と化しました。その惨禍からわずか2年後の1659年(万治2年)正月4日、旗本が率いる定火消(じょうびけし)が上野東照宮に集い、一年の働きを誓った。これが「出初式(でぞめしき)」の起源とされています。
定火消とは、江戸幕府が設けた消防の職です。明暦の大火を契機に幕府は防火体制の抜本的な整備を迫られ、大名火消・定火消・町火消といった組織を次々に整えていきました。焼け野原の上で誓いを立てた彼らの姿には、単なる儀礼を超えた切実な意志がありました。
現代の東京消防出初式は、東京消防庁の消防署員らが消防動作の型を演習・披露する新春恒例行事として受け継がれています。式典の内容は多彩で、一斉放水・避難救助などの消防演習に加え、梯子乗り(はしごのり)や木遣り歌(きやりうた)といった江戸以来の伝統技能も披露されます。梯子乗りは高さ数メートルの竹梯子の上で火消が華麗な型を演じるもので、江戸火消の象徴的な技として現代に生き続けています。
出初式は東京に限った行事ではありません。全国の消防関係者が1月初旬を中心にこの行事を行っており、「出初式」は新年の季語としても定着しています。地域によってパレードの規模や伝統行事の内容は異なりますが、年の初めに消防職員・消防団員・消防功労者を表彰し、地域の防火防災への誓いを新たにするという精神は共通しています。明暦の大火から約370年。当時の定火消が上野の地で立てた誓いは、形を変えながらも今も毎年1月の風景として日本各地に息づいています。
参考リンク
1月6日のカレンダー情報
1月の二十四節気・雑節
- 小寒(しょうかん) 1月5日(月)
- 大寒(だいかん) 1月20日(火)
- 冬の土用(どよう) 1月17日(土)