果ての二十日 (年中行事 12月20日)

果ての二十日
別称
果ての月の二十日
主な伝承地
近畿地方から西日本
関連する妖怪
一本だたら(紀伊山地)
関連する山
果無山脈(和歌山・奈良県境)

12月を「果ての月」と呼ぶ習わしがあります。一年の終わりにあたるこの月を、古くから日本人は特別な時間として意識してきました。その中でも20日は「果ての二十日」と称され、仕事をやめ、外出を控え、静かに身を慎んで過ごすべき日と伝えられてきました。「果ての月の二十日」を縮めた呼び方で、主に近畿地方から西日本にかけて伝承されています。

由来には複数の説があります。近畿地方では、かつてこの日に罪人の処刑が行われたという言い伝えが残り、人々は不吉を避けるために外を歩くことをためらったとされます。紀伊山地(現在の和歌山・奈良県境付近)の果無山脈にまつわる妖怪伝承も有名です。「一本だたら」と呼ばれる一つ目一本足の妖怪が12月20日に山から下りてきて旅人を襲うという話が語り伝えられ、この日は山へ入ることはもちろん、旅も慎む風習が生まれました。「果無」という山の名も、行き来する人が絶えるこの伝承に由来するという説があります。山の神が年に一度猛威を振るう日として、農山村の人々が活動を自粛したという解釈もあります。

こうした風習は地域によって形を変えながら伝わっており、統一的な由来が定まっているわけではありません。ただ共通しているのは、年の瀬の忙しない日常をいったん立ち止まり、見えない力への畏れを持ちながら慎ましく過ごすという精神です。現代社会では忌み日の意識はほぼ失われましたが、大掃除や年賀状の準備に追われる師走のさなかに、あえて立ち止まる日を設けていた先人たちの知恵は、改めて興味深く感じられます。師走の「静」を求めた慣習として、果ての二十日は今なお民俗資料に記録されています。

12月20日のカレンダー情報

六曜 仏滅
吉日 天恩日
月齢 11.1

12月の二十四節気・雑節

  • 大雪(たいせつ) 12月7日(月)
  • 冬至(とうじ) 12月22日(火)