ハイビジョンの日 (記念日 11月25日)
- 制定年
- 1987年(昭和62年)
- 制定者
- 郵政省(現:総務省)・NHK
- 日付の由来
- アナログハイビジョンの走査線数が1125本であることから11月25日
- 走査線数
- 総1125本(有効1035本)。従来アナログ放送は525本
- アスペクト比
- 16:9(従来放送は4:3)
- 研究開始
- 1964年東京オリンピック後、NHK放送技術研究所にて
走査線1125本という数字が、11月25日という日付を生んでいます。1987年、郵政省(現:総務省)とNHKはその対応から「ハイビジョンの日」を制定しました。単なる語呂合わせに見えますが、その1125本という数字にはNHKが20年以上をかけた技術開発の結晶が宿っています。
ハイビジョンの研究が本格的に動き出したのは、1964年の東京オリンピックがきっかけです。世界に向けて映像を届けた経験が、「もっと鮮明な映像を」という技術者たちの意欲に火をつけました。NHK放送技術研究所は翌年から研究を開始し、1972年にはITU-R(国際電気通信連合・無線通信部門)に規格提案を提出。1976年には世界初となるハイビジョン30インチモニターを完成させています。
従来のアナログ放送の走査線数は525本でした。ハイビジョンはそれを1125本に倍増させ、有効画素数は1ライン当たり1920個に達します。画面のアスペクト比も従来の4:3から16:9へと横長に変わり、映画館に近い臨場感が家庭のテレビで得られるようになりました。この規格を衛星放送で実現するために開発されたのが、1984年完成のMUSE(Multiple sub-Nyquist Sampling Encoding)方式です。デジタル技術で帯域を圧縮し、衛星の1波でアナログ映像を伝送するという巧みな仕組みでした。
1989年から実験放送として始まったハイビジョンのBS放送は、1991年に試験放送へ移行。地上デジタル放送への完全移行後は、走査線数が有効1080本のデジタル規格に引き継がれ、フルHDとして現在も映像の基準となっています。さらに4K(3840×2160)・8K(7680×4320)へと続く解像度競争は、1964年に研究者たちが描いた「もっと鮮明に」という問いが今も更新され続けていることを示しています。2018年12月に始まった4K・8Kテレビ放送は、その延長線上にある最新の到達点です。
なお、「ハイビジョンの日」はもう一つ存在します。通商産業省(現:経済産業省)が制定した9月16日で、こちらは画面の縦横比「9:16」に由来します。同じハイビジョンを二つの省がそれぞれの切り口で記念日にしていたという事実も、当時いかにこの技術が国家的な関心事だったかを物語っています。
11月25日の他の記念日
11月25日のカレンダー情報
11月の二十四節気・雑節
- 立冬(りっとう) 11月7日(土)
- 小雪(しょうせつ) 11月22日(日)