タップダンスの日 (記念日 5月25日)
- 制定年
- 1989年(米連邦法、ブッシュ大統領署名)
- 記念日の日付
- 毎年5月25日
- 由来となった人物
- ビル・ボージャングル・ロビンソン
- ロビンソンの生没年
- 1878年5月25日〜1949年11月25日
- 代表的な技
- ステアケース・ダンス(階段タップ)
- タップダンス最古の文献
- 1903年
階段を軽やかに駆け上がりながら足音でリズムを刻む「ステアケース・ダンス」——この技でニューヨークのハーレムを熱狂させたのが、ビル・「ボージャングル」・ロビンソンです。1878年5月25日、バージニア州リッチモンドに生まれた彼は、公民権運動の数十年前という時代にアフリカ系アメリカ人として初めてハリウッド映画に主要な役を得た俳優であり、タップダンスの歴史に決定的な足跡を残しました。
タップダンスの起源は18世紀のアメリカ南部に遡ります。1739年、サウスカロライナ州当局が黒人の集会における太鼓の使用を禁止すると、アフリカ系の人々は足の動きで打音を生み出すようになりました。その後、19世紀のニューヨーク・ファイブポインツ地区でアイルランド移民とアフリカ系の子孫が路上でダンスを競い合い、ヨーロッパとアフリカ双方の踊りが融合してタップダンスの原型が確立されていきます。「タップダンス」という呼称が文献に登場するのは1903年のことで、ロビンソンが頭角を現したのはちょうどその時代です。
ロビンソンが革新したのは踊り方そのものでした。それまでのタップダンサーが踵(かかと)も使った重心の低い動きを主としていたのに対し、彼はつま先を中心とした軽快なスタイルを確立します。「ステアケース・ダンス」は階段の段数に応じた異なる音色を生む独自の技で、1920年代のボードヴィル(巡業演芸)で圧倒的な人気を誇りました。1930年代には映画界へ進出し、シャーリー・テンプルとの共演作で白人と黒人が並んで主演するという、当時としては異例の姿を全米の観客に示しました。
1949年11月25日、ロビンソンは71歳で世を去ります。奇しくも誕生日と同じ25日でした。彼の死後も功績は語り継がれ、1989年、アメリカのジョージ・H・W・ブッシュ大統領が誕生日にあたる5月25日を「ナショナル・タップダンス・デー」と定める連邦法に署名します。これが現在「タップダンスの日」として国際的に祝われる記念日の起源です。日本へのタップダンスの普及は主に20世紀後半のアメリカ映画・音楽を通じて進み、現在では全国各地にスタジオが存在し、子どもから大人まで幅広い層が楽しむ舞台芸術として定着しています。ロビンソンが生み出した「足音を音楽にする」という発想は、一人のダンサーの誕生日を記念日に変えただけでなく、舞台と日常の境界を軽やかに跨ぐ文化として世界中に息づいています。
5月25日の他の記念日
5月25日のカレンダー情報
5月の二十四節気・雑節
- 立夏(りっか) 5月5日(火)
- 小満(しょうまん) 5月21日(木)
- 八十八夜(はちじゅうはちや) 5月2日(土)