国際植物防疫デー (記念日 5月12日)
- 制定年
- 2022年(国連総会決議)
- 記念日の日付
- 毎年5月12日
- 推進機関
- FAO・IPPC事務局
- IPPC締約国数
- 184か国
- 病害虫による食料損失
- 世界生産量の20〜40%
- 前身
- 国際植物防疫年2020(IYPH)
世界の食料生産の80%以上が植物に由来しているにもかかわらず、その20〜40%が毎年、病害虫によって失われています。これはただの農業問題ではなく、食料安全保障、貧困、生物多様性と深く結びついた地球規模の課題です。
国際植物防疫デーは毎年5月12日に定められています。2020年を「国際植物防疫年(IYPH)」とすることが2018年12月の国連総会で決議されたことを端緒に、その遺産を引き継ぐ形で、2022年3月の国連総会でこの記念日が制定されました。推進するのは国連食糧農業機関(FAO)と国際植物防疫条約(IPPC)事務局で、5月12日はIPPCにとっても節目の日でした。2022年が同条約の70周年にあたる年だったためです。
IPPCは184か国が締約する唯一の国際植物防疫基準の設定機関です。国境を越えた病害虫の侵入・まん延を防ぎ、安全な貿易を促進することを使命としており、農産物の輸出入に際して参照される植物衛生基準は、すべてこの条約に基づいています。日本も締約国として、外来病害虫の水際対策をIPPCの枠組みのもとで実施しています。
植物防疫の重要性は、過去の歴史が証明しています。19世紀のアイルランドでは、ジャガイモ疫病の大流行によって100万人以上が餓死し、さらに100万人以上が国外に脱出しました。近年でも、ナガレハナサンゴを壊滅させるサンゴ白化と同様に、コーヒーさび病やバナナ萎凋病(フザリウム)が主要産地を次々と直撃しています。一種の病気がひとつの作物品種に集中することで、世界市場全体が揺らぐリスクは現在も続いています。
記念日の制定には、こうした脅威への国際的な意識を底上げする狙いがあります。病害虫の越境移動は、気候変動にともなう分布域の拡大や、国際物流量の増加によってさらに加速しています。FAOとIPPCは5月12日を軸に、各国政府や研究機関、農業従事者が知見を共有し、協調して対策を講じるための場を設けています。植物の健康は、人間と動物と環境が一体であるという「ワンヘルス」の観点からも、いまや不可欠な柱のひとつとして位置づけられています。
参考リンク
5月12日の他の記念日
5月12日のカレンダー情報
5月の二十四節気・雑節
- 立夏(りっか) 5月5日(火)
- 小満(しょうまん) 5月21日(木)
- 八十八夜(はちじゅうはちや) 5月2日(土)